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第8回日本歯科医療管理学会九州支部総会・学術大会で発表
平成18年11月19日(日)佐賀県歯科医師会館3F大ホールにおいて、第8回日本歯科医療管理学会九州支部総会・学術大会が開催され、小倉歯科医師会が【歯科医師が地域社会に果たせる役務とは 第1報 ―介護老人福祉施設でのアンケート結果より―】と題して発表しました。これは、福岡県歯科衛生士会、介護老人福祉施設 シルバー・サン・ホームとの協力で行ったもので、超高齢化社会における歯科医師会の対応を考えるものとして、大きな関心をよびました。

発表題目:歯科医師が地域社会に果たせる役務とは
〜 介護老人福祉施設でのアンケート結果より 〜

小倉歯科医師会では、特別養護老人施設:シルバー・サン・ホームにて、約9年間「施設での口腔ケア」としてモデル事業を展開しています。今回、「施設関係者の方々が口腔ケアと言うものを、どのような形で捉えているのか」を知るために、そして「口腔機能向上の重要性が叫ばれている中、他職種との連携と協働がどのような方法によれば求めることができるのか」を探る目的で、当施設関係者にアンケート調査をいたしました。
その結果、口腔ケアについては、「施設で口腔ケアを行うことは、労力的には大変なことですが、食事がきちんと摂れるようになると、体力・気力が備わり、疾病予防やADL(ADLとは「Activities of Daily Living」の略で、食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常の生活を送るために必要な基本動作すべてを指す。高齢者の身体活動能力や障害の程度をはかるための重要な指標となっている。)の向上が見込まれるため、結果的には負担感があるとは思わない。」、或いは「全身状態が改善できると、介護労力は軽減される」等の介護現場からの意見を得ることができ、「口腔ケア」が介護に重要であると評価していることが解りました。
しかしながら、歯科医師等の歯科専門職と介護士等の他職種との連携と協働については、長年「口腔ケア」をモデル事業として実施しているにも拘わらず、「必要性を感じない」、「声を掛けずらい」、或いは「相談する時間がとれない」等の理由で、回答者45名中7割弱が、歯科医師等との連携を必要としてなく、「口腔ケア」や「誤嚥性肺炎」等に関わる情報入手は、歯科医師等以外からという事が解り、施設内での他職種との連携・協働の難しさについて、今回のアンケートによって知ることができました。
この他職種との連携・協働の難しさを生じさせた原因の一つは、「歯科医師等が『口腔ケア』を行うにあたって、平成18年4月改定以前の医療保険制度や介護保険制度が足かせとなり、その為歯科医療本来の能力が発揮されづらい状態であったため、介護関係者の方々が歯科医師等の歯科専門職に不信感を持つようになったのでは。」ということが考えられました。
今後は、このような反省点を踏まえて、要介護者の方、そしてその家族の方を主体とした「お口から食べることができる」ことの目標に向かって、介護や高齢者・障害者に関係する知識の研鑽に努め、主治医としての情報提供や指示を明確に行い、施設内での「口腔ケア」の講演や実習を歯科医師等歯科専門職が主体的に行う等、他職種との連携と協働のさらなる充実を求め、地域社会から公正な評価を受けることができるよう努めて行きたいと思いました。

小倉歯科医師会会員は、常に地域の皆様に「かかりつけ歯科医」としての自負を持ち『安心で安全な歯科治療・口腔ケア』を提供できるよう努めて参ります。

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